涙とともにパンを食べた経験がなければ、人生の本当の味わいはわからない。

あの芸術家も、ミュージシャンも、
インフルエンサーも、
メーカーの人も、ショップの人も、
アウトドアのすごい人も、
スポーツのすごい人も、
すごいけど意外と普通だ。

なんなら、
何かに突出している分、
他のところでポンコツな人も多い。

ぼくらと同じように不安を抱え、悩み、失敗もする。

ぼくはすごい人達のダメエピソードを聞き出すのが大好物で
すごい人達のダメさ加減を聞くと、ホッとするし、ニヤニヤする。

一方でダメエピソードを披露する本人たちも
とてもいい顔をしている。
カッコ悪い部分を曝け出し、
ありのままの自分になる心地良さがあるのだろう。

カッコ悪さを曝け出したい時があるのは
すごい人達だけじゃない。
凡人、一般人だって同様だ。

僕の周りにはなぜか
大人になってからウンコを漏らしたことのある人、
そのエピソードを嬉々として話す人が多い。
(僭越ながら僕もそのひとりだ)

人生における最大級の難局を乗り越えた彼らには
共通の独特な慈悲深さがある。
「そういうこともあるよね」と
他者の失敗を受け止め、優しく包み込んでくれる。

ゲーテはこう言った。
「涙とともにパンを食べた経験がなければ、
人生の本当の味わいはわからない。」

僕ならこう言う。
「涙とともにパンツを処分した経験がなければ、
人生の本当の味わいはわからない。」

そういう人に、わたしはなりたい。